Windows10の描画フレーム遅延はほぼ回避できない(と思う)

2016年07月25日 in レビュー


まもなく(7月29日)Windows10の無料アップグレードが終了になりますね。Windows10のアップグレードといえば、あまりにも強引すぎる大胆な方法で既存のWindows7/8ユーザーを恐怖に陥れた困惑させたことで有名です。

(参考:ねとらぼ様) どんどん萌えからホラーへ Windows 10のアップグレード通知を擬人化した漫画が全ユーザーの恐怖を表現している

でも実際のとこ、Windows10自体はそんなに悪いOSでもなく、起動は8に比べてさえさらに高速化している様ですし、ブラウジングなどの動作もスムーズです(かといって、やはりあのアップグレードの仕方はいろいろな問題がありますけどね)。

またよく言われることですが、一度PCをWindows10にアップグレードして戻しておけば、無料アップグレード期間が過ぎた後も同じPCで再度アップグレードが可能になるそうです(ただしHDD内にアップグレードした形跡が残っていた場合に限る様です)。それで私も自分のPCを一度アップグレードしておこうと思い、チャレンジしてみました。

アップグレードそのものは非常に簡単で、例のwindows10_button_20160725マークのアイコンから始まって数クリックしてしばらく待てばWindows10にアップグレードしてくれます。その後、ちょっとした初期設定をすれば作業完了です。(ただし、運が悪いとこの時点でPCが再起不能の状態になります。当店にも何人かそういった状態のお客様がいらっしゃいました。それだけリスクのある行為をマイクロソフトはユーザーに押し付けていると言えます)

アップグレード後、すぐに戻すのはもったいなかったのでしばらく幾つかのアプリをいじくっていたのですが、やはりWindows7と比べてもおおむねの動作が軽く感じられます。また、ゲーム用に録画機能なんかもついたようで(対応ハードウェアのみ)動画制作やプレイ検証なんかにも使えそうです。

desktop20160725

Windows10のデスクトップ画面

割といい感触だったので「もう戻すのもめんどくさいからこのままでいいかなー」などと思い始めていたのですが、そういえば大きな問題が一つあったのを思い出しました。これはWindows8の頃から指摘がされていたのですが、WindowsVistaからAeroというデスクトップ描画機能がサポートされるようになったのですが、その機能が有効になっているとどうしても描画に遅延が発生してしまいます。具体的には3フレーム分(約0.05秒)の遅延が発生します。それで、ゲーマーやイラストレーターなどはAeroを無効化して利用することが多かったのですが、Win8以降では原則としてそのAeroの無効化ができなくなりました。

・・・え?大したことない問題ですか?まぁほとんどのユーザーには3フレームの遅延なんて無関係ですよねー(笑)ただ、特定の分野でPCを使う人にとってはこれくらいの遅延でも意外と重要なんです(;´Д`)

それで念のためテストがてらに東方永夜抄というゲームを起動してみましたが、「んー・・・微妙??」まぁ最近東方で遊ぶこともめっきりなくなりましたし、正直よく判りません(遠い目)

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(個人的に)懐かしい東方永夜抄

それで再度、今度はイラスト用のCLIP PAINT STUDIOを起動。ペンタブレットでテストしてみると今度は明らかに違いが判ります。タブレット上に描いた時の追従が鈍くて気持ち悪い(汗)まぁAeroが有効なので当然っちゃあ当然なんですけどw

でもせっかくWindows10の動作が良さそうなので、なんとかならないかなぁと少し調べてみました。・・・で、結論としてですが

 

どうにもなりませんでした(

 

たぶん・・・私の感覚がおかしくなければ、ですが。

まずよく言われているのがAeroLiteという(隠し?)テーマに切り替えるとAeroが無効になる説。7以前もテーマをベーシックに切り替えてAeroを無効にしていたので、もしかすると有効かも・・・と、思い、こちらのサイト様を参考に切り替えてみました。しかし、残念ながらほぼ効果は感じませんでした。相変わらずペンタブの追従は遅れたままです。

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AeroLiteのデスクトップ画面

次にネット上で見かけたのがGPUのレンダリング前最大フレーム数という項目の数値を1にすると改善するという説。これも試してみたのですが、やはりAeroLiteと同様にまったく改善は見られません。こちらについてはGPUの持つ機能上の設定とAeroの仕様の内容とが性質的に似かよっている(双方とも描画用バッファのような意味合いを持っている)ため、同一の意味で認識してしまった人がいるのではないかと推測しているのですが、おそらくGPUのレンダリング前最大フレーム数とAeroの仕様は個別に機能していて、直接的な相関関係は無いと思われます(ただしレンダリング前最大フレーム数は1であるに越したことはないだろうと思います・・・GPUにその分負荷がかかりますが)。

あと可能性があるとすれば、Windows7のシェルを移植するという荒技があるみたいですね(汗)。Ex7forW8とかいうツールを使うらしいんですけど、当然ノンサポートになりますし、さすがにシステムが壊れる可能性もあることを考えると、ちょっとハードルが高すぎますねー。ツールもWindows8対象の様ですし・・・。他にも個々のアプリケーションフォルダにインストールしてAeroの機能を乗っ取って(ラッピングして)無効化するソフトなんかもあったんですけど、Windows8用と少しバージョンが古くてWindows10で使うには色々副作用もありそうだったので、そっちは試してないです。

で、結局早々とWindows10は諦め、Windows7に戻しちゃいました(笑)。まぁもともとその予定でしたし、いいんですけどね。ただ、アップグレードの副作用でワコムのタブレット設定がどっか行ったらしく、ショートカットやらが初期状態に戻っていましたが・・・((